動画編集を始めるときに、手軽で使いやすいFilmoraを選ぼうとする人が多いです。
ただ、購入画面に進むと「個人向け」と「法人・チーム向け」に分かれていて、どちらを選べばいいか迷ってしまいまいますよね。
「YouTubeで広告収入を得たいけれど個人プランでいいの?」
「クラウドソーシングで動画編集案件を受けるなら、どっちのプランが必要?」
といった疑問は、トラブルを防ぐためにもあらかじめ解消しておきたいポイントです。
知らずに使って規約違反にならないよう、商用利用のルールやプランごとの違いを確認していきましょう。
- 個人と法人の違い:自分の活動内容に応じた適正ライセンス
- YouTube収益化の条件:広告収入を得る際に守るべき規約
- 内蔵素材の注意点:エフェクトや内蔵BGM・効果音の著作権ルール
- 安全な運用方法:クライアントワークでトラブルを避ける素材選び

Filmoraの商用利用ルールと個人・法人プランの違い

Filmoraを使う前に、公式が定めているライセンス区分を正しく把握しておく必要があります。
プランの基本となるのは「個人向け」と「法人・チーム向け」の2つです。
まずは、どこからが商用利用に該当し、プランによって何が異なるのかを整理していきましょう。
商用利用の定義とFilmora公式の判断基準
一般的に「商用利用」とは、制作物を通じて直接的・間接的にお金を得る行為全般を指します。
具体的には、
- 企業の公式プロモーション動画
- 自社製品の紹介動画
- 有料セミナー動画の販売
- 他者から報酬をもらって制作する動画編集代行
などが該当します。
「自分は個人事業主だから個人プランで大丈夫」と考えてしまいがちですが、事業活動として動画を使う場合は商用利用の扱いになります。
営利目的が絡む制作を行うなら、原則として商用利用を前提としたライセンスが必要です。
個人向けプランと法人・チーム向けプランの機能・権限比較
個人向けプランと法人・チーム向けプランでは、ライセンスの許諾範囲とサポート体制が異なります。
編集ソフトとしてのカット割り、テロップ入れといった基本機能はどちらのプランでも同じように使えます。
違いがはっきり現れるのは「権利面」と「利用できるシチュエーション」です。
| 比較項目 | 個人向けプラン | 法人・チーム向けプラン |
|---|---|---|
| 主な対象者 | 個人クリエイター・趣味利用 | 法人・個人事業主・副業受託者 |
| 個人のYouTube広告収益化 | 利用不可 | 利用可能 |
| 企業案件・タイアップ動画 | 利用不可 | 利用可能 |
| クライアントへの納品 | 利用不可 | 利用可能 |
| 法人HP・企業SNSへの掲載 | 利用不可 | 利用可能 |
| 内蔵BGM・効果音の商用利用 | 利用不可 | 利用不可 |
個人向けプランは、永続ライセンス(買い切り型)が8,980円(税込み)、年間プラン(サブスク)が7,980円(税込み)です。
対する法人・チーム向けプランは、永続ライセンス(買い切り型)が17,900円(税込み)、年間プラン(サブスク)が11,900円(税込み)の価格設定になっています。
費用を抑えたい気持ちは分かりますが、仕事で使うなら法人向けライセンスを選ばなければなりません。

規約違反になった場合のリスクと注意点
個人プランを使って納品しても「ウォーターマーク(透かし)がないからバレないのでは」と思う人もいるかもしれません。

書き出した動画ファイルだけ見ても、個人プランで作ったかどうかなんて分からないんじゃないの?
動画データそのものからプランを特定される可能性は低いですが、問題はそこではありません。
企業から動画編集を請け負う場合、発注元から使用ソフトのライセンス証明や規約遵守の確約を求められる事例が増えています。
ライセンス違反が判明した場合、ソフトのアカウント停止にとどまらず、発注元から契約違反による損害賠償を請求される事態になりかねません。
目先の数千円を節約するために、副業やビジネス全体の信用を失ってしまうのは割に合わないリスクです。
YouTubeの広告収益化は商用利用?個人プランで使える境界線

動画クリエイターが一番気になるのが「YouTubeで広告収益化している個人チャンネル」の扱いです。
広告収入でお金をもらっている以上、商用利用に当たるのかどうか判断に迷いますよね。
自分のチャンネルの運用方針と照らし合わせながら、ルールを確認していきましょう。
企業タイアップやPR案件は法人プランが必要
個人YouTubeチャンネルで「企業から金銭や無償提供を受けて制作するPR動画」の場合はどうでしょうか?
なんとなく想像つくと思いますが、このケースは「企業の販促活動」とみなされますので、法人向けプランの契約が必要になります。
個人プランから始めて、企業から「商品レビュー動画を作ってほしい」と依頼が増え始めたら、法人プランの購入を検討しましょう。
個人チャンネルの広告収入(アドセンス)は個人プランはNG
皆さんが一番気になるのは、Google AdSenseによる収益が商用利用にあたるかどうかだと思います。
ネットで検索しても、「商用利用になる」という人もいれば、「ならない」という人もいて、情報がバラバラです。
そこでFilmoraの問い合わせ窓口から質問したところ、以下のような回答がありました。

この回答の通りですが、Google AdSenseによる広告収入は商用利用に該当します。
つまり個人チャンネルでも、何らかの収益が発生するのであれば法人プランの購入が必要ということになります。
趣味の延長で動画投稿を始めるのなら個人プランでいいですが、その後収益化できそうと判断したら、法人プランの購入を検討しましょう。

アドセンスに限らず、収益が発生する動画を作成するのであれば、必ず法人プランを選択する、と覚えてください!

【落とし穴】Filmora内蔵BGM・効果音は商用利用NG

Filmoraのライセンス問題で、最もトラブルが多いのが「ソフト内蔵の音源素材」に関する取り扱いです。
ソフト内には、使い勝手のよいBGMや効果音がたくさん用意されていますよね。
「有料プランを買ったんだから、入っている音源も全部自由に使っていいはず」
と思い込んで動画に使うと、取り返しのつかない事態になる可能性があります。
なぜ内蔵音源を使ってはいけないのか、具体的な理由を解説します。
ソフト内蔵の音楽・効果音が商用禁止となっている理由
Filmora本体にあらかじめ収録されている音楽トラックや効果音は、法人プランを契約していても商用利用が禁止されています。

法人プランを買ったのに、内蔵BGMが商用利用できないってどういうこと!?
不思議に思えますが、これは音源を提供しているサードパーティの権利関係が理由です。
Filmoraが音源提供元と結んでいるライセンス契約が「個人の私的使用(非営利)」に限定されているためなんです。
内蔵BGMを収益化チャンネルの動画に使用すると、YouTubeのコンテンツ識別システム(Content ID)によって著作権侵害の申し立てを受ける原因になります。
申し立てを受けると、その動画から発生した広告収益が音源の権利者に分配されてしまい、自分には1円も入らなくなってしまいます。
テキスト・エフェクト・トランジション素材の商用利用範囲
「音源がダメなら、最初から入っているタイトルやエフェクトも危ないの?」と不安になりますよね。
安心してください。内蔵のタイトル・テロップ・トランジション・フィルター・エフェクトなどの視覚素材は、商用利用が認められています。
動画のオープニングを作ったり、画面切り替えの効果を付けたりする作業は、ソフトの標準機能だけで完結させて大丈夫です。
ただし、素材サイト「Filmstock」などで追加ダウンロードするエフェクトパックの中には、一部商用利用不可と指定された特殊素材も存在します。
外部から素材を追加する場合は、ダウンロードページに「商用利用可」のアイコンがついているかを必ず確認してください。
著作権クレームを防ぐ安全な無料・有料BGMの調達先
動画制作における音源トラブルをゼロにする確実な方法は、BGMや効果音を外部の信頼できる音源サイトから調達することです。
Filmoraの内蔵音源には頼らず、あらかじめ商用利用が明記された、フリー音源サイトを利用しましょう。
- Youtube Audio Library:YouTube Studio公式の無料音源。収益化チャンネルでも警告の心配がなく最も安心
- OpenTracks:国内定番の無料音楽素材サイト。数多くの人気YouTuberが利用(利用規約の確認は必須)
- 効果音ラボ:動画でよく使われる日常音・バトル音などの効果音を高品質かつ商用無料で提供
- Audiostock(有料):企業のプロモーション動画や納品案件でも安心して使える国内最大級の有料ライブラリ
Filmoraの商用利用ルールに関するよくある質問
- Filmoraの無料版で作った動画はYouTubeで収益化できますか?
-
無料版で書き出した動画は商用利用が禁止されています。画面中央に大きな透かしロゴ(ウォーターマーク)が入るだけでなく、利用規約上も非営利の試用目的に限定されているため、収益化を目指すなら必ず有料プラン(法人プラン)を購入してください。
- 個人向けプランを購入した後、差額で法人プランに変更できますか?
-
現在、公式サポートでは個人プランから法人プランへ差額のみでアップグレードする制度は提供されていません。将来的に動画編集の受託案件をこなす予定がある場合は、最初から法人向けプランを契約しておくのが経済的です。
- Filmoraに内蔵されているAI機能で作った画像や音声は商用利用できますか?
-
FilmoraのAI生成機能(AI画像生成・AIサウンドなど)は、利用規約により商業目的での利用が原則として制限されているものがあります。収益化動画や納品物に組み込む場合は、外部の商用利用が明記された生成ツールや素材サイトを使うのが安全です。
- 学校や大学の授業動画を作る場合、教育向けプランは商用利用に入りますか?
-
教育向け(学生・教職員向け)プランは、教育機関内での学習や研究活動を目的としたライセンスです。制作した動画を有料講座として販売したり、収益化された外部チャンネルで公開したりする行為は商用利用となるため認められていません。
Filmoraの商用利用ルールを押さえて安全に動画制作を始めよう
Filmoraは直感的な操作性で初心者でも簡単に扱えるソフトですが、商用利用の線引きを誤ると余計なトラブルに巻き込まれてしまいます。
自分がどのような目的で動画を発信するのかを整理し、適切なライセンスと安全な素材選びを徹底しましょう。
- 用途に応じたプラン選び:アドセンス含め収益が発生するなら法人プランが必須
- 内蔵音源は完全回避:BGMや効果音はプランに関係なく商用利用不可
- 後からの切り替えコストを考慮:副業案件を視野に入れているなら、最初から法人プランを選ぶ
正しいライセンス知識を身につけておけば、著作権侵害の警告や契約トラブルを心配することなく、動画制作そのものに集中できます。
まずは自分の活動目的に合ったプランを手に入れて、快適な動画クリエイター生活の一歩を踏み出してみてください。

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